SILK

絹とは何か?よい素材の服を決める絹とは?

布の製品をはかる指標は、たくさんありますが、多くは繊維で決まると言っていいと思います。

にもかかわらず、「絹」は、なぜ「絹」になったのか?なぜ「絹」だけの特徴があるか、なかなかひとことで言えないのではないでしょうか。

このページでは、綿についてひとことで伝えられるようになって、「絹」を最大限活用できるようになるための情報をお伝えします。

では、「絹」の大事なポイントを先にお伝えします。

絹製品だけにある違い

絹は、ラグジュアリーな洋服はもちろん、アンダーウェアや家具に最適です。そして強度耐性のある繊維です。

この違いを正しく理解すれば、より良く「絹」を活かせるようになります。


動物の絹のきほん#

繊維 動物繊維の絹


起源 500~1000万年前

繊維の絹のはたらき#

植物の「絹」のきほんを確認しましたが、それが人にあたえる効果を見ていきましょう。

「絹」の感覚的な効果は、大きく2つの特性に分けられます。

・さわり心地などの 1.肌でわかる触覚性
・色などの 2.目でわかる視覚性

詳しく見ていきましょう。


1.肌でわかる触覚性

なめらかな肌触り
絹の生地は、触れるとほんの少しヒヤッとして、しっとりとした肌触りで優しさがあります。
それは突き詰めると、Tシャツの編み生地→糸→綿植物→繊維1本となります。繊維の分子の小さな小さな働きの集合によるものです。

これは絹の3つの特性が、すべて肌触りにプラスになるように働いている結果である。「表面構造」、「繊維の長さ細さ」、「構成成分」です。

表面構造
成分に加え、表面がなめらかで、丸みある三角形構造になっていることが肌触りの特性を生んでいる。

繊維の長さと細さ
絹は天然繊維で唯一の天然長繊維です。長いと何が良いかというと糸にしたときの継ぎ接ぎでノイズがなくなるため、肌触りがなめらかになります。さらに繊維の内でもっとも細いため、織り物にした場合に、密度と繊細さが肌触りに効果を与えている。

構成成分
人肌のタンパク質に近い物質のため肌に優しく、肌触りも良い。絹繊維は、精錬前はセシリンが固着しているのでツルッとした肌触りはありません。もとものはセシリンがフィブロインという、ともにタンパク質成分で取り囲んでいる。

鋼鉄並に強いのに、摩擦に弱い
天然繊維全般で摩擦には弱く、絹もとりわけ弱いのですが、じつは強度は鋼鉄に匹敵する強度耐性を持っています。伸ばしたり圧縮したりのひずみに強いです。

洗濯に向かない
摩擦に弱く、ささくれた繊維は白っぽく退色する。水のシミが残りやすい。直射日光での紫外線で黄変する。虫食いが起きやすい。ジャケットやシャツの襟や脇に起きやすい。

夏涼しく冬暖かい
通気性と吸湿性が良く、熱伝導率が低い。夏は涼しく、冬は暖かい。繊維構造的な根拠としては、フィブリルとフィブリルの間に空間があるためである。この特性は、繊維の軽さも与える。


2.目でわかる視覚性

上品なツヤ感がある
表面がなめらかで、丸みある三角形断面のプリズム効果で光沢が生まれる。ツヤと光沢感。鮮やかな色に染まる。


絹の現在の統計データ#

いま現在の絹の生産状況も見てみましょう。合繊は、比較のための例として出しています。

出典:総務省統計局 世界の統計2019から

絹は天然繊維の中では、レアファイバーに位置づけられます。

出典:総務省統計局 世界の統計2019から

絹の製品のみほん#

「絹」の起源から、年月をかけて名品・定番となった服を知れば、布を活かすための、さらなる参考になるはずです。

絹繊維の名品
エルメスのスカーフ


絹に向く製品
フォーマル用の衣類。ドレス、着物、シャツ、ネクタイ。アンダーウェアや寝具など

この中国で作られた動画は、絹を製品にするまでのプロセスをわかりやすくとらえています。