LINEN

麻とは何か?よい素材の服を決める麻とは?

布の製品をはかる指標は、たくさんありますが、多くは繊維で決まると言っていいと思います。

にもかかわらず、「麻」は、なぜ「麻」になったのか?なぜ「麻」だけの特徴があるか、なかなかひとことで言えないのではないでしょうか。

このページでは、「麻」を最大限に活用するための情報をお伝えします。

ここでの天然繊維の麻は、衣類品として工業用に栽培されている、リネン/亜麻(アマ)とラミー/苧麻(チョマ)の2種類を指しています。

では、「麻」の大事なポイントを先にお伝えします。

麻製品だけにある違い

「麻」は生物的に強く、除草剤や化学肥料などを使わず、オーガニックな生育環境のもとに育つ植物です。

この違いを正しく理解すれば、より良く「麻」を活かせるようになります。


植物の麻のきほん#

繊維 植物繊維の麻、亜麻/あま(Linen、Flax/リネン、フラックス)、苧麻/ちょま(Ramie/ラミー)


起源 500~1000万年前

繊維の麻のはたらき#

植物の「麻」のきほんを確認しましたが、それが人にあたえる効果を見ていきましょう。

「麻」の感覚的な効果は、大きく2つの特性に分けられます。

・さわり心地などの 1.肌でわかる触覚性
・色などの 2.目でわかる視覚性

詳しく見ていきましょう。


1.肌でわかる触覚性

シャリ感
麻は、シャリシャリとした触り心地があります。
それは突き詰めると、シャツの編み生地→糸→綿植物→繊維1本となります。繊維の分子の小さな小さな働きの集合によるものです。

麻繊維自体は、撚りがなく直線的で、伸縮性がありません。これがシャリ感を生みます。

シャリ感がある麻ですが、人間の肌に親和性があるセルロース成分が7〜80%のため肌に優しいです。

固く強く、伸縮性がない
麻繊維自体に、撚りがなく直線的なために、伸縮性がありません。
同時に、麻は天然繊維中もっとも、強くて硬い性質を持ちます。麻を構成する成分は、セルロースが7〜80%に加えペクチン質などの不純物が多く含まれているため、硬いのです。

汗を吸い、洗濯に強く、夏に最適
麻は、綿と同じく、洗濯機で洗濯しても問題がありません。吸水性や発散性に優れており、カビや雑菌の繁殖を抑制するためニオイがつきにくい。つまり水に強い。

その理由は、麻繊維の構造が中心が空洞になっており、セルロース繊維の束が水や養分を流す役割をしていたからです。

この構造が、吸水/放水(散)性を生み、麻が夏に強いと言われる理由です。


2.目でわかる視覚性

シワになりやすくとれにくい
シャリ感があり、伸びなく、固く強い性質を持つ麻ですが、コインの裏返しのようにシワになりやすくとれにくい効果をもたらします。それは、麻繊維の、高い結晶化度/高配列度・傾角の小さいことが引き起こします。

ツヤ感がある
繊維は、毛羽立ちがなく、光沢に富みます。ラミーは絹麻と呼ばれるほど。
先のシャリ感の物理的な根拠と同様に、麻繊維自体に、撚りがなく直線的で、伸びないためです。


現在の世界の場所と生産量と統計データ#

いま現在の麻の、リネンとラミーそれぞれの生産国の状況も見てみましょう。

出典:総務省統計局 世界の統計2019から 2019年度のリネン生産量トップ10:1.フランス、2.ベルギー、3.ベラルーシ、4.ロシア、5.イギリス、6.中国、7.オランダ、8.エジプト、9.チリ、10.アルゼンチン

リネンは、現在もヨーロッパを中心に生産が続けられています。

出典:総務省統計局 世界の統計2019から

ラミーは、中国を中心に生産がされているが、日本が実は生産量では上位に位置している。続いて、いま現在の麻の生産状況も見てみよう。合繊は、比較のための例として出しています。

出典:総務省統計局 世界の統計2019から

麻は天然繊維の中では、レアファイバーに位置づけられるほど生産の量は少ない。

「麻」は生物的に強く、除草剤や化学肥料などを使わず、オーガニックな生育環境のもとに育つ植物ですが、いまヨーロッパで生産されている方式が動画にまとめられています。


麻の製品のみほん#

麻繊維の名品
アイリッシュリネンのスーツ、サファリジャケット

アイリッシュリネンのジャケット/マルチェロ・マストロヤンニ

アイリッシュリネンのサファリジャケット/チャールズ皇太子

リネンのカバーオール/アンリ・マティス


麻に向く製品
夏用の衣類、シャツやスーツ。ベッドやテーブルまわりの布など